甘く切ない初恋の思い出

小学校6年生のときのことでした。
同じクラスの女の子のことが気になってたまらなくなったのです。
端正な顔立ちで、活発に行動し、クラスの中でも目だっていたほうだと思います。
私がその子に特別な思いを抱くようになったとき、最初はそれが恋というものだとはわからず、大いに戸惑ったものです。
小学校6年生で感じる好意というのは、少なくとも、私には正体不明のものでした。
ずっと後になって、それが異性を愛する気持ちの始まりなのだと気づいたのです。
いわゆる私にとっての初恋でした。
当時はメールも携帯電話もなく、自分の思いを打ち明ける手法そのものがありませんでした。
同じクラスとはいえ、何かと注目されている彼女は人気者で、私が話しかけるチャンスもなかったのです。
遠くから彼女の姿を眺めることぐらいしかできませんでした。
そんな彼女も小学校を卒業してからというもの、別の中学校に入りましたので、姿を見かけることもほとんどなくなりました。
不思議なもので、それ以来、自然と忘れてしまうようになったのです。
ただ、いまになって思い出しても、甘い記憶として私の中に残っています。